こんにちは!
さてさて今回は、色の元となる「顔料」についてご紹介していきたいと思います。

はじめに

人類は時を重ねるなかで、色とともに暮らしを彩ってきました。
普段の生活で、私たちが何気なく触れているさまざまな物たち。

そのほとんどに、色がありますね。

実はそれらは、「顔料」によって着色されています。
印刷のインクや画材はもちろんのこと、建築、工業製品、インテリアなどなど…
挙げればキリがないほど。

あなたの生活になくてはならない存在。それが顔料なのです。

 

顔料とは

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着色に使われる色の原料は、色をまとった粉末です。

大きく「顔料」と「染料」に分けることができ、こんな違いがあります。

■ 水・油に溶けない粉末 → 顔料

■ 水・油に溶ける粉末  → 染料

この二つは、正反対の性質を持っています。
それぞれの性質によって用途に適した使い分けがされてきました。

たとえば、顔料は水や油に溶けないため、接着剤(バインダーとも言います)と混ぜて、広く面に塗ることができます。
そのため塗料やプラスチックなどの工業品や絵画など、さまざまな場面で使われています。

一方で染料は、水や油に溶けるため、布や紙に着色をしたい場合に繊維間に色を染み込ませて着色することが多くなります。

こうした用途については一概には言えないのですが、上記はひとつの例として覚えておくと良いと思います。

 

顔料の分類

顔料と一口で言っても、本当に奥深いミクロの世界。
分類はさまざまに分かれます。
ここでは大まかな分類について見ていきましょう。

 

図)参考:『色と顔料の世界』三共出版株式会社 発行

色素は色の元で、そこからそれぞれの成分を抽出して顔料や染料が生まれてきます。

天然のものでは、土や石などから採れる鉱物性の天然無機顔料や、貝や虫から採れる動物性の染料、植物から抽出する植物性染料があります。

合成のものでは、有機色素を化学的に合成させた有機顔料と、無機色素を化学的に合成させた無機顔料に分けられます。
有機顔料のなかには、顔料に染料を定着させて、より発色を良くするレーキ顔料などがあります。
無機顔料には、金属粉や酸化物、炭素などが含まれます。

次の項では、上で挙げた代表的な顔料について、それぞれの特徴を見ていきましょう。

1.天然無機顔料

・鉱物由来。土や石、貝殻など天然の色素からなる。
・落ち着いた天然の発色。色の幅は少ない。
・耐候性、隠蔽性に優れている。
・比重が大きい。(絵画などでは筆下りが良く描きやすい)
・アルカリ質の材料に混ぜても色落ちしない。
・色素そのものが単色のため、均一の表現が可能。

 

2.合成無機顔料

・炭素や金属粉、酸化物など。紺青やコバルトブルー、エメラルドグリーンなどがある。
・カドミウム化合物やクローム化合物など、人体へ悪影響を及ぼす物質も含まれる。
・耐候性、隠蔽性に優れている。

 

3.有機顔料

・炭酸カルシウム(無機顔料)などの体質顔料に染料を固着させ、より鮮やかな発色。
・ビビッドカラーなど出せる色の幅が多い。
・着色力に優れている。
・体質顔料への固着や混色によって色を出すため、色落ちや退色することがある。
・アルカリ質の材料に混ぜると退色する場合がある。

 

顔料を楽しむ

1.絵画

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顔料に直接ふれるなら、やはり絵画がおすすめです。
色そのものを体感できるだけでなく、理解することにもつながります。

絵画の発祥とも言われる古典的な絵画技法のひとつ、フレスコ画は、顔料を溶いて壁面に直接着色していきます。
特に、接着剤を使用せず、生乾きの石灰の上に顔料を直接乗せる「ブオン・フレスコ」という技法が特徴的です。
これは接着剤を含まないので、色そのものを楽しめるという魅力があります。

奥深いフレスコ画の世界については、過去の記事にまとめていますのでぜひチェックしてみてくださいね!
フレスコ画って何?絵画の原点とも言われるその技法とは

 

日本画では、顔料そのものに膠(にかわ)という接着剤を混ぜて絵の具をつくる日本ならではの絵画技法です。
顔料を指で混ぜ合わせるときに生まれる「間」によって、これから描く作品を瞑想するのだそう。
なんとも日本らしい精神性が宿っていますね。

また、日本画では顔料のことを「岩絵具」や「胡粉」と呼びます。
ここにも様々な歴史があるのですが、それはまた別の機会にご紹介します。

 

もちろん、一般的に馴染みの深い油彩画・水彩画などに使われる絵の具にも、顔料が使用されています。

絵の具は、主に顔料と接着剤(バインダーと呼びます)からできていて、油絵では油性バインダー、水彩画では水性バインダーなどがあります。このバインダーの種類によって表現方法が変わってくるのもまた面白いところです。

 

絵画に使われる画材に興味がある方は、こちらの書籍がおすすめです。
かなり専門性が高く、一つ一つが詳しく解説されていますよ。

 

2.レジン-クラフト作品

もっと手軽に色を楽しみたい…そんな人にオススメなのがこちらです。

近年、レジンに顔料を混ぜてつくるアクセサリーやストラップなどのクラフト作品が大人気。
作りやすく様々なアレンジができるので話題となっています。

レジンとは、透明な樹脂のことで、ざっくり言うと接着剤です。
取り出すと粘度がある液体ですが、時間が経つと硬化しプラスチックのように硬くなります。
好きな型に入れて混ぜて待つだけでいいので、とっても楽ちん。

なかでも「UVレジン液」は、紫外線に反応して固まるので子供たちにも大人気。
100円ショップなどでも売っているので入手も簡単です。

私も子どもと一緒に作ってみました!

制作風景です♪

顔料はもちろんirokoで扱っているドルチ社の顔料です。発色がとってもキレイ。
型にレジンを入れて顔料をくるくる混ぜて、あとは日光が当たる窓際に置いておくだけ!
固まったら型から外して完成です。これなら手軽に楽しめますね。

 

おわりに

いかがでしたか?
何気なく見ている色を分解して見ていくと、さまざまな分類や素材に分けることができますね。
基本を踏まえておくと、ますます色への理解が深まり、日々の生活が豊かになるのではないでしょうか。
「この素材にはこんな顔料が使われているのかな」とか「こんな表情を出したいからこの顔料を使ってみよう」など。
豊富な色の世界にふれて、自由にお楽しみください。


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irokoでは、ヨーロッパ伝統の天然無機顔料、レーキ顔料を豊富に取り揃えています。

天然無機顔料は、土を焼き、その焼成時間や温度などを調整することで繊細な色合いを実現しており、深みのある天然の発色が特長です。
天然土のためアルカリ性に強く、石灰やコンクリート・モルタルなど建築素材と合わせても使用できます。
日々の生活が天然の色合いに包まれたなら、豊かで穏やかな心持ちになりそうですね。

ご興味のある方はぜひ、ご覧になってみてください!

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